katekyou-nowの日記

数学は計算力であ~る!

通分を誤解してませんか?!

良くある掛け算問題:
『3*4と4*3論争』
例は、こちら↓
 
 
 
学的には、スカラー乗算は可換群だから、積の順序は問われない。(ちなみに可換という言葉は、大学の数学専門課程で習います)
しかし、小学算数の世界では、計算の考え方を教えるために一方を優先し、一方は誤りと称す。
どちらも正解なんだけど・・・・・。

 

参考動画1:↓
 
 
これは一つの例なんですが、
数学的にはかなり本質的な内容を含んだ、難しい問題になります。
 
これとよく似たものに、分数の通分がある。
小学校では、通分とは『分母』をそろえること!と教える。
 
これが高校~大学になっても常識化していることに、危惧を覚える。
 
正確には、通分とは、分数の『分母または分子をそろえること』です。
 
つまり1/3と2/7だったら、
①分母で通分すると、7/21と6/21となり、1/3>2/7となる。
 
②分子で通分すると、2/6と2/7となり、やはり、1/3>2/7となる。
 
ここで大事なことは、分数の大きさは、分母をそろえたら分子が大きい方が大きい。
が、分子をそろえたら、分母が大きい方が小さい。という点です。
要は、どちらが計算が楽になるか?
で決まるんです。
実際、こんな問題だったらどうします・・・
2/1003 と 3/1505 の大小を判定せよ
1003は素数じゃないけど、17*59と因数分解できる。
でも、これはかなりの計算時間を要します。
そして、1003=17*59、1505=5*7*43 として、分母を通分したら大変なことになる!
ちなみに、やってみると3010/1509515 と 3009/1509515 になります。
 
むろんこれで、2/1003>3/1505 であることは解かるけど、
普通に大人がやっても1.2分は掛かるでしょうね・・・・。
 
これを分子で通分すると、2*3=6だから、
6/3009 と 6/3010 となり、一目瞭然、2/1003>3/1505 であることが解かる!
これなら、完全に暗算の世界です。
 
実際、中学~高校と学習が進むと、両方の考え方が必要になってきます。
つまり、どちらも考えることが大事なんですよ!
(ただまあぁ~~、分母で通分!とした方が、迷いもなく解かり易い、
 というのも、事実かと。
 人間は2つあるよと言うよりも、1つしかないよという方が、単純に理解
 しやすいのも確かですから。)
 
だから、せめて中学生になったら、どちらもあるんだよ!と、
指導要領に加えるべきだと思う。